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ディズニーにまつわるコラムです。今回は子どもとディズニーランドに来て、自分が幼かった頃に叶わなかった事を思い出した話。タイトルに奔走とありますが、あくまで例えで実際は走ってません。
ある日のディズニーランドで閉園直前のこと。
コロナ禍の秋、手づかみでポップコーンを食べるのは抵抗があって、子どもが希望していたミルクチョコレート味のポップコーンを最後のアトラクションに乗ったら買って、手を洗い、帰りの車の中で食べる約束をしていたのです。
この日の最後のアトラクションはスティッチエンカウンター。
スティッチエンカウンターから一番近いポップコーン売り場で買うつもりだったけど、閉園10分前にもうクローズしていました。
先月、数十年ぶりにディズニーランドに来て、子どもと夫と2回目のディズニーランド。
まだ「早くクローズするポップコーンワゴンがある」という事も知らなかったし、事前に運営時間をチェックしておいたほうがいいなんてことも知らなかったのです。
アプリを見て、次に現在地から近いはずのポップコーンワゴンに向かっていると、まだ行列ができているポップコーンワゴンがありました。
そのワゴンで買えるのは、キャラメル味のポップコーン。
もう少し先には、ミルクチョコレート味のポップコーンのワゴンがあるばす。
でもミルクチョコレート味のワゴンはもうクローズしているかも知れないし、そもそも本当にミルクチョコレート味のポップコーンのワゴンなのかも、ネットでサクッと確認しただけなので不確か。
くたくただった夫は、「もうここの(キャラメル)でいいんじゃない?」と言い、
くたくただった私も、それで今日は我慢してもらおうか…と一瞬考えたのです。
でも日中、ミルクチョコレート味のポップコーン食べてみたい!と目を輝かして言った息子に、「ミルクチョコレート味のポップコーンは、帰る前に買って手を洗ってから車の中で食べようよ!」と提案したのは他ならぬ私。
もしここで私がこのまま「キャラメル味で我慢して」と言ったら?
息子は大人に失望するかも知れない。
失望なんて大げさな事ではなくても、親の言う事って割とアテにならないんだな、なんて肌で感じるかもな〜なんて。
とにかく私は、少し先にあるはずの売り場まで行って、ちゃんと確かめてくるぐらいの手間は惜しんじゃならないと感じたんです。
ラッキー?にもキャラメル味の行列はまだ長く、夫と息子に並んでもらっている間に、ミルクチョコレート味のワゴンを見に行けそう。
「私が戻るより先に順番が来たら、キャラメル味も買っておいて」そう夫に伝えて、私はミルクチョコレート味のワゴンに間に合え!!…と先を急いだのです。
たいした距離ではないけど。
一斉にエントランスに向かい歩く人の群れや、ワールドバザールのライトアップ、手を振るキャスト、誰もが感動の余韻を残し名残惜しく夢の国を後にするこの懐かしい景色の中を一人で急いでいると、私は思い出したんです。
もくじ
子どもの頃の私が、買えなかったモノ
思い出したのは、10歳のころの自分。
10歳だった私は、10歳にもなって悲しくて悲しくて大泣きしながらディズニーランドを後にしたのです。
あれはドナルドダックのセーラー帽。
ネイビーにブルーのリボンで、正面にドナルドダックの刺繍がしてある、可愛い帽子。
10歳の私は、お土産にその帽子を買う約束をしていました。
私はそれをものすごく楽しみにしていて、本当はそれをかぶってディズニーランドを楽しみたかったのだけど、私には妹が2人。
私だけが欲しがっている帽子のためだけに混雜するお店で並ぶ事は難しく、妥協案として帰りがけに買う約束を両親としたのです。
でも、結局、
ランドを出る前に寄った売り場にその帽子はなく、「違うお店に探しに行きたい」と言う私の希望は受け入れてもらえませんでした。
子育てをしている今なら、その当時の両親の大変さは理解できるけど、当時の私はただ「私の願いは後回しにされた挙げ句、聞いてもらえなかった」という気持ちでいっぱいになり、
私は悔しくて悲しくて大泣きしたのです。
少なくとも私は、物事が思い通りに行かないと泣いて訴える少女ではなかったと記憶しています。
でもあの時は、悔しくて悲しくていつまでも泣きました。
車の中で泣きながら、ディズニーランドの灯りがどんどん遠ざかって行って、
私の夢を敵えるために他のお店を探す手間を掛けてくれなかった両親に失望した事を、我が子の希望を叶えようと奔走している最中に思い出してしまったのです。
たどり着いたミルクチョコレート味のポップコーンワゴンには、もうカバーが掛けられていました。
近くにいたキャストさんに、あのワゴンはミルクチョコレート味のポップコーンワゴンで合ってるかお尋ねすると、
そうです。残念ながら、先程クローズしてしまいました。と申し訳なさそうに教えてくれました。
そうなんだ。私もこうして欲しかったんだよなぁ…
私の些細な夢を叶えるために、こうして欲しかったんだ。
ドナルドダックのセーラー帽が売られているショップが、もし目の前でクローズしてしまって手に入らなかったとしても。
夫と息子の元に戻り、ミルクチョコレート味のポップコーンワゴンがあったけどもう終わっていたと伝えると、
息子は「それじゃ、今度また来たときのお楽しみに取っとくね」と言いました。
私はそんな息子を見て、10歳の私もこんな風に言えたらどれだけ良かっただろう…そんな事を考えたのです。
キャラメル味のポップコーンを持って、「また、来ようね」と夫と息子と話しながら、感動の余韻を残し名残惜しく夢の国を後にします。
私の中の10歳の私が、やっと笑顔になれた気がしました。
あとがき
先日、私が欲しかったドナルド・ダックのセーラー帽をメルカリで見付けて、胸がギューッとなりました。
小さな頃の私が感じたことを息子が同じように感じるとは思っていないし我が子であれ別人格ですが、守れない約束はしない、約束をしたら守る、これはどんな立場でもそうありたいなぁと思います♡
TDRは私にとって、楽しくてちょっぴり切ない場所だったのでした。
皆さんはこんな想い出、ありますか?