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ディズニーにまつわるコラムです。今回は自分が小さな頃に憧れていた、カリブの海賊から見える大人のレストランに行き、自分が随分と大人になった事を知ったお話。
皆さんはディズニーランドで、「大人になったらいつか行ってみたい」と子供の頃に思った場所はありますか?
私は昔、カリブの海賊から見える素敵なレストランに憧れていたんです。
ぼんやりと浮かぶランタンの灯りが綺麗で、
虫の音に重なるようにナイフとフォークの音がレストランから聞こえてきて、大人の場所だとずっと思っていました。
当時はネットなどなく、どんなレストランかは知らなかったけど、
親からは「あそこはね、簡単には行けない場所なの」そう言われていたし、少なくとも私には気軽に行ける所ではないと思っていて、そしていつか「大人になったら行くんだ」、そう思っていた場所だったのです。
時は流れ20代になると、ディズニーランドの事など忘れ、都会で過ごす毎日を謳歌していました。
ディズニーランド?
あぁ、あったね。
あんな子どもっぽい所、もうとうの昔に思う存分楽しみました。
なんて感じで。
あとは小さな頃の自分を忘れたかったというのもあると思うんです。
小さな頃、楽しくて幸せだったものをすべてどこかに置いて私は実家から逃げるように上京したようなものなので。
いつか大人になったら行くんだ、そう思っていたブルーバイユーの事もすっかり忘れてしまったのです。
またまた時は流れ、7歳で息子、ディズニーランドデビューすることとなりました。
「ママの小さな頃はディズニーランド行ったの?」
行ったよ。それはもう、毎週のように。
「ママが一番好きな乗り物はなに?」
ピーターパン空の旅だよ。
「じゃあそれに最初に乗りたい!他には乗りたいものある?」
…そんなやり取りをしていると思い出してしまったのです。
大人になったらブルーバイユーに行くんだ、と思っていたこと。
せっかくだから夫と息子に付き合ってもらおう、そう考えた私はブルーバイユー・レストランの予約をしました。
ところが予約は取れなかったのです。
それから1ヶ月後、再びディズニーランドに行く事にした我が家。
私は今度こそ…!とブルーバイユーの予約にチャレンジすることにしました。
1ヶ月、毎日のようにキャンセルが出ないか確認するも、ブルーバイユー・レストランの予約はキャンセルが出ず、一向に取れそうにありません。
息子は「ママが行きたいレストランに行ってみたい」という気持ちが強くなってきたようで、毎日「予約取れた?」と言う始末。
結局、事前にブルーバイユー・レストランの予約が取れないまま、2回目のディズニー当日になってしまいました。
ディズニー当日、私はネットに張り付き、ブルーバイユーの当日予約にトライします。
ここ数年でこれほどまでに緊張したことがあったかな…と思うほど、緊張したのを覚えています。
無事に予約が取れました。
そして当日。
夫と息子と、ブルーバイユー・レストランへ。
きっと幼い頃に想像していた以上に素敵な状況で、ブルーバイユー・レストランに来ることができました。まさか自分が、子どもを連れてここに来られるなんて。
もくじ
念願のブルーバイユー・レストランは…
幼い頃に見ていたあのランタンの灯りを、こっち側から見ているんだなぁ…。
そんな風に思うと、ちょっと胸が熱くなります。
ようやく来ることができたブルーバイユー・レストラン。
私にとって、憧れだったブルーバイユー・レストラン。
念願のブルーバイユーで食べたローストビーフは、
良くも悪くも「普通」、でした。
私は、大人になったんだなぁ。
小さな頃に憧れていたこの場所に来るまでに随分と大人になったのです。
ブルーバイユーの料理は美味しいです。
でも大人になった私は、それよりも美味しいものを知っていました。
たいして裕福でもないし贅沢な毎日を過ごしている訳ではないけれど、
でも半世紀近く生きていると、年相応に美味しいものを食べる機会も積み重なっていきますからね。
なんだか可笑しくて、温かくて、
そして、ここに来るまでにかかったのはとても長い時間なのだと思い知ったのです。
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